2017年春号
 今年も再び美しい桜が咲き、生かされている事にしみじみ感謝する今日この頃です。
 皆様お元気でいらっしゃいますか。
 
 4月1日2日と、市ヶ谷のサウンドインAスタにおいて、教育芸術社から6月に出版されるMy Songのレコーディングのレコーディングが行なわれました。
 私はその中の1曲「Cantare~歌よ大地に響け~」の中学生版混声4部の編曲をさせていただいたため、録音に立ち合わせていただきました。その数日前の3月27日には、ルミエール府中コンベンションホールに於いて行われた春の合唱セミナーに足を運び、来年担当させていただく合唱セミナーの打ち合わせを兼ねて、爽やかでグレードの高い小・中学生の歌声を聴いてまいりました。来年は自分が関わらせていただくかと思うと、身が引き締まる思いでした。
 この春は、色々なところで高橋晴美作品が演奏されました。その中から、私が足を運ばせていただいたコンサートをご紹介させていただきます。
フェリス女学院中高OG合唱団「杏の実コンサート2017」
 5月14日の母の日には横浜みなとみらいホール小ホールで、皆様にも可愛がっていただいた杉浦真理さんの母校でもあるフェリス女学院中高OG合唱団「杏の実コンサート2017」が開催されました。
 
 第1部の最後にCantare ~歌よ大地に響け~、第2部三森杏実ソロステージでは、杉浦真理さんの恩師でもありこの合唱団の指揮指導者三森杏実先生ご自身が合唱団をバックに「母に贈るうた」を、第3部では「海よりも空よりも」を歌ってくださいました。

左:三森先生、右:井浦さん

 中でも、いつもと全く違うスローなテンポで一言一言歌詞を嚙みしめるように歌われた「Cantare~歌よ大地に響け~」は、~悲しみが終わる夜明けに 歌が大地にこだまする 風が涙ぬぐうように 歌が心癒してゆく~と始まった途端、母を亡くしたばかりの私の心に優しく温かく沁み込むように入ってきて思わず熱いものがこみ上げてまいりました。これからも、作品を歌い続け、更に深めていっていただけますことを切に願っております。
第42回青廊会
 5月21日(日)習志野文化ホールで行われた、第42回青廊会のプログラムの中で第2部の7つの合唱団による合同演奏《青廊会(合唱)&青廊会シンフォニエッタ(管弦楽)》で、前田地香子先生指揮による「Cantare~歌よ大地に響け~」が演奏されました。いつもはステージ上に居て演奏する立場ですが、今回は客席中央に座ってじっくりと聴かせていただきました。思い返せば、聴くのはポーランドワルシャワ国立管弦楽団のレコーディング以来かもしれません。わくわくしながら新鮮な気持ちで聴かせていただきました。小編成のオーケストラでしたが、やはりピアノ伴奏とはスケールが違います。金管から始まるあのフレーズ、それに続く木管群、それを包み込む弦の響き、そして一人一人の声に宿る心は、私の心を励まし、後押ししてくれるようでした。
 
 母もきっと一緒に聴きに来て、喜んでいたのではないかと思います。 この作品を選曲してくださいました溝口秀実先生はじめ、指揮をしてくださいました前田地香子先生、演奏者、合唱団の皆様に心より感謝申し上げます。
2017年6月吉日
高橋晴美
「ひとつ」に寄せて ~藤島 章子様の手記~
 今年2017年4月20日で「ひとつ」誕生22年を迎えました。丁度そのような時に、阪神大震災と関連した不思議な出会いがございました。 「ひとつ」と同時期に誕生したコーラスグループ「あしやYOコーラス」指揮者の藤島章子様からお寄せいただいた手記をご紹介させていただきます。
~ 「ひとつ」に寄せて ~

 私と「ひとつ」との出会いは、今年2月、なんと大丸芦屋店の地下食料品売り場でのことだった。
そこで私は数年前に亡くなられた女声メンバーの娘婿さんで音楽に造詣の深いWさんにばったり出遭ったのだが、コーラスで新たに取り組む曲を決めかねていた私は「楽譜屋さんで2時間立ちっぱなしで探しても、なかなかうちに合う曲が無くて困っているんです…」と伝えた。するとWさんは即座に「こんな曲があるよ」とポケットからICレコーダーを取り出し、イヤホンを私に渡して「ひとつ」を聞かせて下さったのだった。


 デパ地下の賑わいの中だったので、曲全体を把握できたわけでは無かったが、直感的に「これだ!」と思い、その場でスマホから楽譜が出版されているかどうか確かめた。その時は、「ひとつ」がまさか阪神・淡路大震災をきっかけに作曲されていて、しかも私たちのコーラスの誕生とほぼ同時期に生まれたということは知る由もなかった。

 私たち「あしやYOコーラス」もまた阪神淡路大震災とは切っても切れない深い縁がある。 平成5年に芦屋市の肝いりで結成された「高齢者の生きがいと健康づくり、地域社会への貢献」を理念とする『あしやYО倶楽部』の一グループとして、「あしやYOコーラス」が生まれたのは、1995年4月、まさに震災の爪痕も生々しい芦屋市の赤い避難用テントの中でのことだった。

 『あしやYО倶楽部』で前年11月から始められていた「歌の集い」のメンバー数人が、それぞれ被災しつつも、「もう一度皆で歌いたい、共に前を向いて生きていきたい」との希望を胸に、松浜公園に建てられたカナディアンテントに集まり、それぞれ近所の被災高齢者や知り合いを誘って歌の練習を始めたのである。当初は斉唱であった私たちの歌のグループも、22年の間に混声四部合唱を歌う合唱団にまでに成長した。最高年齢91歳、平均年齢75歳越えの合唱団が「ひとつ」を高橋さんのイメージ通りに表現することは難しいかもしれないが、大切に練習を重ね、私たちの精一杯の演奏をいつか高橋さんに聞いて頂くことが出来たら、これほど嬉しいことはない。

 空、海、心、星・・・言葉に何の形容もされていないがゆえに、歌う者と聞く者の心に実物が直に迫ってくる。「あなたの部屋に野の花ひとつ いつも安らぎを届けてあげたい」温かい歌詞と讃美歌を思わせるようなメロディーが無限の広がりをもって私たちの心に沁みわたってくる。私はつくづく自分が旧式のアナログ人間で良かったと思う。インターネット経由で問い合わせるのが億劫だった私は高橋さんのホームページに記載されていた電話番号に直接問い合わせの電話をかけたのだ。ご本人と直接お話しできたことで高橋さんの「ひとつ」への深い思い、そして温かいお人柄にじかに触れることができ、また、不思議なご縁を感じさせて頂くことも出来た。

 この度、「ひとつ」と高橋晴美さんという稀有のアーティストとの出会いによって22年の歩みを振り返ることができ、私にとってもコーラスにとっても新しい春を迎えられた感がある。

 心からの感謝を込めて、この拙い一文を高橋さんと「ひとつ」に捧げたい。

平成29年4月8日
あしやYOコーラス指揮者 藤島 章子

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