今年は、四季があるような無いような目まぐるしく変わる気候が続いておりますが、その後皆様お元気でいらっしゃいますか。それでも、秋祭りは例年通り行われて、遠くから近づいてくる「ドンドンカカカ」の祭り太鼓の音に、幼い頃の懐かしい思い出がよみがえり、慌ててサッシを開けてベランダに出ました。威勢の良い『わっしょいわっしょい』の声に担がれて、家の前をお神輿のお通り!思わずシャッターを切りました。今でもこの地に住むことが出来、護られていることを氏神様に感謝し、祖父母に両親にあらためて感謝いたしました。
さて、今年は『ひとつ』誕生30周年、コーラスハルミオン誕生25周年という大変大きな節年ですが、くじ運がよろしくないのか、夫が10月11月12月と3回立て続けに「セシオン杉並大ホール」の抽選に漏れてくださり、今年のコンサートは残念ながら先送りとなってしまいました。しかし、丁度そのタイミングで11月5日に『ひとつHitotsu-One-』と『今日―虹を渡る日』を演奏していただけませんかというご依頼をいただいたのです!しかも飛騨高山で5日間開催されるお祭りのフィナーレで!思わぬ展開にびっくりでした!これでやっと、2年前突発性難聴でリクエストにお応えできなかった手島泰六先生のリクエストにお応えさせていただけるかもしれない!と、一気に気持ちが前向きに切り替わりました。
振り返ってみますと、1995年4月20日未明に『ひとつ』の作品を授かって以来、30年の間に本当に色々なところで演奏させていただいてまいりました。

また、宗門宗派を問わず、様々な宗教団体等々、求めてくださるところには喜んで赴いて愛をお届けしてまいりました。沢山の素晴らしい方々とのご縁をいただき、数えきれないほどの美しい思い出、忘れられない感動をいただいてまいりました。
今度の11月5日の演奏は、ソリストにプロのオペラ歌手である森美代子さん、PureVoicesメンバーの佐々木理保子さん、中西由美子さん、そしてアルトの後藤敬子さんの4名と、高橋裕率いるオーケストラアンフィニと混声合唱団カントハルモニアという大所帯で行います。
課題その1
これには流石に音響さんも私も「それは無理でしょ~!」と、とっさに答えました。「それをやるんだよ!」相変わらず夫は、一言で打ち消してしまいました。音響さんは「僕、その日仮病でお休みします!」(笑)、というわけで、スリルとサスペンスの命懸けの綱渡り演奏がスタートしました。
課題その2~ひとつへの階段難題はそれだけではなく、今までの形態の『ひとつ』の合唱に慣れ親しんできた合奏団アンフィニ合唱団カントハルモニアにとって、ニューバージョンのノリで4番を英語で歌い演奏することは、並大抵のことではありませんでした。初練習の日、バラバラになった演奏、合唱を聴き「いったいどうすれば良くなるのか…」悶々として眠れない日が続きました。「本当に一体化した『ひとつ』が求められている」と、強く感じました。それには、自分自身が普く包み込む大きくて豊かな心にならないと、とても実現は無理!…と。
「どうか、石井智子さんの歌を繰り返し聴いて、海外の方にも伝わる英語で届けていただきたい!!」と、祈るような思いでしたが、切なる祈りが届いたのか、一人、又一人と真剣に向き合ってくださる方が増えてゆき、CDを聴きながら練習に取り組んでくださったお陰で、日を追うごとに一体化してゆきました。

4日、いよいよ会場で音響チェックに続き、リハーサル開始です。通常、ピアノはステージに横向きに置かれていて、弾いている私から歌い手さんが視野に入る形で弾くのですが、今回は違います。ピアノはステージに対して縦に置かれ、私は客席と対面する位置で弾くことになり、ピアノの譜面台右に小さなモニター画面が置かれ、右上を見上げると2階席の夫の指揮が見えるという状態でセッティングされました。まずは、夫は客席での音のバランスを聞くため、アシスタントの方の指揮で『ひとつHitotsu-One-』が始まりました。途中までは旨く行っていたのですが、転調して2階席の合唱とドラムが入ってきた途端ずれずれに!
そこで、夫は客席で聴いてバランスを確認することを諦めて、2階席の指揮台へと移動。再度『ひとつHitotsu-One-』に挑戦。せっかくピアノの右横にセットしてくださったモニターでしたが、モニター画面に映し出される映像は微妙に遅れるため、夫の指揮を見るしか合わせようがないことが判明。ステージ上の音は遅れて聞こえてくるので、2階席の夫は、指揮台の右横にセッティングされた「モニタースピーカー」から出てくる私のピアノの音に合わせて指揮をするのです。今回の演奏形態は、この一台の「モニタースピーカー」が命綱だったのです。それでも、一番心配していた『今日―虹を渡る日』の入りの部分(2階席のフルートのメロディとステージ上のピアノの16分音譜の刻み)は無事に通り、通しリハでは2曲ともぴったり合って終了することが出来ました。一先ず安堵してこの日のリハーサルは終了しました。
『ひとつHitotsu-One-』でのハプニング!翌日は9時に会場入りし、アンフィニとカントハルモニアの皆さんにご挨拶をしてから、楽屋でスタンバイ。 そして、いよいよ本番!拍手を受けながら一礼し、ピアノの椅子に座りました。2階席の夫を見上げ、アインザッツを送り、タクトが振り下ろされると同時に『ひとつHitotsu-One-』のイントロを弾き始めます。未だかつて経験したことのないシチュエーション、2小節目から2階席の弦の音がかすかに聞こえてきて、やがて森さんのスキャットが始まります。そして、~空と海がとけてひとつ あなたの心にとけて生きる~に続き、佐々木理保子さんのオブリガードが入ります。
続いて、~あなたの部屋に野の花ひとつ~のところから濱ちゃんこと中西由美子さんのアルトが入ってきて、とても良い感じで曲は進んでおりました。そして、転調したところから後藤敬子さんのアルトが入り、2階席のオーケストラと合唱、ドラムが入ってきました。その途端!恐れていたことが!ドラムの音と大幅にずれているではありませんか!!
2階席を見上げ、夫に首を振りながら必死でアインザッツを送ります。夫は、これ以上身を乗り出せないくらい(落下防止のため柵が設置されていて檻の中のクマさん状態)乗り出して大きく指揮をしてくれています。兎に角合わせようと首を振りながら祈るような思いで弾いていると、間奏部分から合い出して、4番の英語の所はぴったりと合い、エンディングに入る部分の森さんの歌はこれまで聴いたことのないような圧巻の歌!!それに引っ張られるようにソリストたちも迫真の歌を歌ってくださり、スキャット部分は私も感動しながら弾き終えることが出来ました。
今日―虹を渡る日拍手に続き、『今日―虹を渡る日』。いよいよ、スリルとサスペンスの始まり!夫にアインザッツを送り、1呼吸おいてタクトが降ろされ、2階席のフルートのメロディーと、ステージ上のピアノの16分音の刻みが同時に始まる息をのむようなスタート。無事通過…それに続く森さんの歌♪~今日の日を待っていた 長い冬を乗り越えて 悲しみ 苦しみ 全てが今日のためだった…~、一言一言が、切々と私の魂に響いてきて、一音一音弾きながら、涙をこらえるのに必死でした。
そして、2階席を見上げながら、「この時を生涯忘れない!」と、この瞬間を目の奥に焼き付けながら、感謝いっぱいで弾き続けました。~今日の日を信じてた、七色の虹を渡る日 必ず訪れる地球がひとつになる日を~のあたりから、全世界の人々の幸せを切に切に祈りながら ~あなたの温かな愛に 全てが救われてゆく日 今こそ手と手を結んで 歌う愛のこの歌~のところでは、思わず腰が上がり全体重をかけ全身全霊を傾けて弾き、歌とオーケストラと合唱とが一体となっている喜びを噛みしめました。そして、力強いエンディングが終わり、ピアノの16分音符の刻みで静かにfade-outしてゆきます。最後の1音を弾き終わり、タクトが降ろされると大拍手!
こうして、『ひとつHitotsu-One-』ニューバージョンの初演が無事終わり、みんなで虹を渡ることが出来ました。手島先生のリクエストにようやくお応えすることが出来、大変お喜びいただけたようでほっといたしました。
真の一体化目指して!しかし、何故ずれたのか…。反省点だけが心に残りました。夫は「本番始まったら、モニタースピーカーから全然音が聞こえてこなくて、指揮しながらスピーカーをこちらに向けたりしたんだけど全然聞こえないから、身を乗り出してステージ上のピアノの音を聴くしかなかった」と、ずっと不思議がっておりました。ところが、合唱団の方からメールが届き、「『ひとつ』の途中で、スタッフの方がモニタースピーカーのスイッチを入れに来ましたよ」とのこと。
音響さんに確認したところ、何とモニタースピーカーのスイッチを入れ忘れていたとのことで、送られてきたメールのタイトルが「申し訳ありません!やらかしました!」でした。途中で異変に気付きスタッフの方がスイッチを入れに来てくださり、スピーカーから音が出るようになったところからぴったり合ったようです。ずれた理由が解ったと同時に、音響さんに対して心配りが欠けていたのではないかと反省しました。
「本当に一体化した『ひとつHitotsu-One-』を全世界に向けて発信できるように、もっともっと精進しなさい!」と言われているような気がしました。それでも感動の内に終えることが出来ました事、スタッフの方々始め、皆様の努力の賜物であると、心より篤く感謝御礼申し上げます。
さて、これまで3回抽選に外れ続けてきた夫でしたが、来年5月20日(水)に「セシオン杉並」遂に当選を果たしました! 来年は、私にとりまして初めてのCD『ひとつ』のリリースから30年の節年であり、自身が初めて主催して行った渋谷東邦生命ホールでのコンサートから30周年を迎える節年です。又、高橋晴美ピアノカルテットで二人の歌い手さんと共にパリで『ひとつ』の海外初演を行ってから30周年を迎えます。やっとGo!サインが出ましたので、準備に取り掛かりたいと思います!
寒さに向かいますが、移り行く季節を満喫しながら、どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。
毎年2月は後援会の更新月にあたりますので、お手数おかけいたしますが、更新手続きをお願いいたします。
又、新規入会の方も宜しく御願い申し上げます。
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